Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lesen Sie 人間豹 (にんげんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.989 Zeichen · 311 Bildschirme
「猫の子一匹通りゃしねえ。ひどく陰気な町ですねえ。いくら夜中だといって、この淋しさはどうだ」
「おい、念のために、あのことを言っておこうじゃねえか」
一人の男が、何か意味ありげにささやく。
「こいつ、またはじめやがった。お前の気のせいだっていうのに、臆病な野郎じゃねえか」
「おいおい、何をボソボソ言ってるんだ。何かあったのか」
恩田がきめつけると、臆病者といわれた男が、あたりの闇をキョロキョロ見まわしながら、変なことを報告した。
「なんだか小さな影みたいなものが、トラックのまわりをウロウロしていやがった。まったく小っぽけなやつでね。小人島の影法師みてえな、なんだかこうゾーッとするような、いやな物でしたよ」
「親方、気にしちゃいけねえ。この野郎、今夜はどうかしているんだ。それよりも、早く荷物を運び出そうじゃありませんか」
この人夫体の二人は、前科者の運転手なのだが、大方何か犯罪がかったこととは知りながら、莫大な謝礼金に眼がくらんで、一夜かぎりの恩田の手下に雇われているのであった。
「ウン、早くしてくれ。荷物はこの廊下にあるんだ。少し重い代物だよ」
恩田は先に立って人形箱に近づいた。