Japanische Klassiker mit Furigana
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せんにん
仙人
Lesen Sie 仙人 (せんにん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.350 Zeichen · 11 Bildschirme
彼は、談柄を、生活難に落して、自分の暮しの苦しさを、わざわざ誇張して、話したのは、完く、この済まないような心もちに、煩わされた結果である。
「まったく、それは泣きたくなるくらいなものですよ。食わずに、一日すごした事だって、度々あります。この間も、しみじみこう思いました。『己は鼠に芝居をさせて、飯を食っていると思っている。が、事によるとほんとうは、鼠が己にこんな商売をさせて、食っているのかも知れない。』実際、そんなものですよ。」
李は撫然として、こんな事さえ云った。が、道士の無口な事は、前と一向、変りがない。それが、李の神経には、前よりも一層、甚しくなったように思われた。(先生、己の云った事を、妙にひがんで取ったのだろう。余計な事は云わずに、黙っていればよかった。)――李は、心の中でこう自分を叱った。そうして、そっと横目を使って、老人の容子を見た。道士は、顔を李と反対の方に向けて、雨にたたかれている廟外の枯柳をながめながら、片手で、しきりに髪を掻いている。顔は見えないが、どうやら李の心もちを見透かして、相手にならずにいるらしい。そう思うと、多少不快な気がしたが、自分の同情の徹しないと云う不満の方が、それよりも大きいので、今度は話題を、今年の秋の蝗災へ持って行った。