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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんかん

俊寛

菊池 寛

Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.455 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、鰤としても珍しい五尺を越える大魚だった。彼は、その岩角で、一刻近くも、それを釣り上げるために、奮闘した。彼は魚が逸しようとするときには、それに逆わないように手の中の蔓を延ばした。もう延ばすべき蔓がなくなると、蔓は緊張して、水を切りながらキイキイ鳴った。

彼は、魚が頭が自分の方へ向けたと知ると、その機を逸しないで、蔓を手早く手元へ繰り寄せる。一間ばかりの水底まで来た魚は、奇怪な姿を見せながら、狂い回る。が、水際までは決して上らない。そして、俊寛の手が、少しでも緩むと矢のように、沖へ逸走する。彼は蔓を延ばしたり、緩めたりすることによって、水中の魚を疲らせようとする。半裸体のまま岩頭に立って活動する俊寛の姿は、目ざましいものであった。

とうとう、俊寛はその五尺を越ゆる大魚を征服してしまう。岩の上に釣り上げられた後も、なお跳躍して海に入ろうとする魚の頭を、俊寛はそばの大石で一打ちする。魚は尾や鰭を震わせながら、死んでしまう。俊寛は、その二十貫を越える大魚の腹に足をかけながら、初めて会心の微笑をもらす。

その時俊寛は、ふと人の気配を感じた。魚を釣るために、夢中になっていた俊寛は、気がついて周囲を見回した。