Japanische Klassiker mit Furigana
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ぞくしゅう
俗臭
織田 作之助
Lesen Sie 俗臭 (ぞくしゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.630 Zeichen · 70 Bildschirme
一家分散し、彼等は大阪に出て思い/\の自活の道を求めた。権右衛門は沖仲士、市治郎は馬力挽き、伝三郎は寿司屋の出前持、千恵造は代用教員、三亀雄は高利貸の手代、まつ枝、たみ子は女中奉公、いってみればそれ/″\に苦難の道だった。大正元年のことだ。翌年まつ枝は好いた男と結婚したが、きょうだいは散り/\ばら/″\で、誰一人婚礼の席に呼べなかった。五年後のたみ子の場合も同様であった。が、大正十年、初めて彼等は天王寺区上本町八丁目の権右衛門の家で顔を合わせた。偶然ではない。権右衛門は既に一かどの銅鉄取引商人に出世していたのである。やがて市治郎、伝三郎、三亀雄たちも、兄のお蔭で立派な銅鉄商人となった。が、千恵造はいつまでも権右衛門の家にごろ/\し、帳場に使われていた。他の兄弟の様な、生馬の眼をぬく商魂がなかったのだ。その代り、代用教員をやれるだけあって筆が立った。伝三郎にいわせると、「字のよう書くもんに碌な奴はない」
娶ったが故あって離婚した。妻の実家が権右衛門と取引して七千円の損害をかけ、権右衛門との間に訴訟が起ったのが原因である。色白の、眼の図抜けて大きな可憐な女だった。