Japanische Klassiker mit Furigana
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にゅうえいぜんご
入営前後
黒島 伝治
Lesen Sie 入営前後 (にゅうえいぜんご) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.353 Zeichen · 5 Bildschirme
それから寝台の下の早馳けというのがある。寝台を並べてあるその下を、全速力で走らせるのである。勿論、立って走れる筈がない。そこで寝台の下を這いぬけて行く。しかしのろ/\這っている訳には行かない。ところが早く這うと鉄の寝台で頭を打つ。と云って、あまり這いようがおそいと、再三繰りかえさせられる。あとで、頭にさわってみると、こぶだらけだ。
こういう兵営で二カ年間辛抱しなければならないのかと思うと、うんざりしていた。
私は、内地で一年あまりいて、それからシベリアへやられた。
内地で、兵卒同志で、殴りあいをしたり寝台の下の早馳けなどは、あとから思い出すとむしろ無邪気で、ほゝえましくなる。だが、本当に誰れかの手先に使われて、寒い冬を過したシベリアのことは、いまだに憤りを覚えずにはいられない。
若し、も一度、××の生活を繰りかえせと云われたら、私は、真平御免を蒙る。