Japanische Klassiker mit Furigana
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にゅうえいぜんご
入営前後
黒島 伝治
Lesen Sie 入営前後 (にゅうえいぜんご) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.353 Zeichen · 5 Bildschirme
軍隊で一日を過すことは容易でない。朝、起きてから、日夕点呼をすまして、袋のような毛布にくるまって眠入ってしまうまで、なか/\容易でない。一と通りの労力を使っていたのではやって行けない。掃除もあれば、飯上げもある。二年兵の食器洗い、練兵、被服の修理、学科、等々、あとからあとへいろ/\なことが追っかけて来るのでうんざりする。腹がへる。
軍隊特有な新しい言葉を覚えた。
からさせ、──云わなくても分っているというような意。
まんさす、──二年兵
ける、しゃしくに。──かっぱらうこと。つる。──いじめること。
太鼓演習、──兵卒を二人向いあって立たせ、お互いに両手で相手の頬を、丁度太鼓を叩くように殴り合いをさせること。
そのほか、いろ/\あった。
上官が見ている前でのみ真面目そうに働いてかげでは、サボっている者が、つまりは得である。くそ真面目にかげ日向なくやる者は馬鹿の骨頂である。──そういうことも覚えた。
靴の磨きようが悪いと、その靴を頚に引っかけさせられて、各班を廻らせられる。掃除の仕方が悪いと、長い箒を尻尾に結びつけられて、それをぞろ/\引きずって、これも各班をまわらせる。