Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

そちにも心得あることと思う。立ち出でて一矢仕れ」

「は」

と云ったが葉之助、こう云われては断わることは出来ない。未熟と申して尻込みすれば家門の恥辱、身の不面目となる。白痴を気取ってはいられなくなった。

「不束ながらご諚なれば一矢仕るでござりましょう」

謹んでお受けすると列を離れ、ツツーと設けの座に進んだ。屹と金的を睨んだものである。

「葉之助殿おやりなさるかな。貴殿何流をお習いかな」

佐々木源兵衛は莞爾に訊いた。

「はい、竹林派をほんの少々」

云いながら無造作に弓を握る。

九

これを見ると若侍達は互いにヒソヒソ囁き出した。

「行灯殿が弓を射るそうな。はてどこへぶちこむやら」「土壇を飛び越し馬場の方へでも、ぶっ飛ばすことでござりましょう」

「それはよけれど弾ね返って座席へでも落ちたら難儀でござるな」

「いやいやそうばかりも云われませぬよ」

中には贔屓をする者もある。「松崎道場では石渡殿を、手こずらせたという事です」

「いやそれも怪我勝ちだそうで」

「では今度ももしかすると怪我勝ちするかもしれませんな」

「そう再々怪我勝ちされてはちとどうも側が迷惑します」