Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
「元から武士でございました」
「そうではない、そうではない」
「では何者でございましょう?」
「それは云えぬ。今は云えぬ。それをお前へ教える者は他でもない黒法師じゃ」
「その黒法師はどこにおりましょう?」
「あらゆる人間に付きまとっている。だからお前にも付きまとっている」
「私の眼には見えませぬ」
「間もなくお前にも見えて来よう」
「種族の犠牲? 黒法師? ああ私には解らない!」
「水狐族! 水狐族!」白法師は卒然と云った。「これをお前は滅ぼそうとしてこの山中へ来たのであろうな?」
「仰せの通りでございます」
「窩人にとっては水狐族こそは祖先以来の仇なのじゃ」
「そのように聞いておりました」
「だからお前の仇でもある」
「それはなぜでございましょう?」
「やがて解る、やがて解る。……とまれお前はお前の属するある一つの種族のため、他の種族と戦わねばならぬ。水狐族どもと戦わねばならぬ。そうしてお前は久田の姥をお前の手によって殺さねばならぬ。これはお前の宿命だ」
「しかしどうしたら憎い妖婆を討ち取ることが出来ましょうか?」こう葉之助は不安そうに訊いた。
「あれを見るがいい。あれを見ろ」