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Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

火影もそこから来るらしい。

再び戸の軋る音がして火影が一時に消えたのは、その小屋の戸が閉ざされたからで、権九郎の姿の見えなくなったのは、その小屋の中へはいったからであろう。

後は寂しく静かである。白無垢のような雪の色と蒼澄んだ月光とが映じ合い冬の深山の夜でなければ容易に見ることの出来ないような神秘の光景を展開している。

バサッと大きな音がした。群竹が雪を落としたのである。その後は一層静かである。

その時、突然峰の方から鬨の声が聞こえて来た。犬の吠え声、女の笑い声。――窩人の部落から来るらしい。

灌木に囲まれた木小屋の中では焚火が赤々と燃え上がっている。

焚火を中にして二人の男が茶碗で酒を呑んでいる。

五味多四郎と権九郎とである。

色魔らしい美しい多四郎の顔は、酒と火気とで紅色を呈し、馬鹿に機嫌がよいと見えてのべつ幕なしに喋舌っている。

権九郎の方は四十過ぎらしく、肥えた髯だらけの丸顔はやはり赤く色付いているが、これも負けずに喋舌るのであった。

小屋の中は陽気である。

一三

「おや、いったいどうしたんだろう? やけに部落では騒いでるじゃねえか」