Japanische Klassiker mit Furigana
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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme
「私たちは、戦場で産まれました。たくさんの人間が死んだ、その死骸が腐っている広い野原の中で産まれました。私たちは、明るい日の光や、火や、炎を見ることは大きらいです。真っ暗な闇が大好きなのです。私たちは風の吹く日に、暗い野原から野原へ、町から町へ飛んでゆきます。そして、みんな火という火を消してしまいます。明るい街を、真っ暗にしてしまうのです。それがために、私たちは、自身の体が火に焦げても、また死んでもいといはいたしません。明るいということは、死よりも恐ろしいのです。」と、蛾は、くるくるとした二つの目で花を見守りました。
「そんなに、あなたがたは、たくさんいっしょになって、旅をなさるのですか。」と、花は問いました。
「幾十万、幾百万、その数はわかりません。私たちは、太陽の輝いている空も暗くすることができます。また、どんなににぎやかな明るい街の火でも暗くすることができます。私たちは、昨夜、海の上を渡って、南の国へゆこうとして、風のためにわずかばかりが迷って、この方向に飛んできました。いまに、その私たちの仲間が、ここの空を過ぎるでありましょう。」と、蛾はいいました。