Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にとせろうじん

再度生老人

佐左木 俊郎

Lesen Sie 再度生老人 (にとせろうじん) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.770 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

一つは自分が好きだからでもあろうが、その頃、村の小学校には、虞美人草の花を好きな女教員がいたから……。

町からは折々彼の細君と眇の息子とがやって来て泊まって行った。細君というのは、ちいさな、乾枯らびた大根のような感じのする女で、顔中に小さな皺がいっぱいあった。そして右の頬には、年が年中、丸い一銭銅貨大の紙が貼ってあった。で彼女は、貼り紙おばと渾名されていた。――「おば」とは、寺の細君、また大黒との意。

貼り紙おばは、寺に泊まっている間、毎晩のように、私の家まで湯に這入りに来たが、彼女は、一晩中べちゃべちゃと一人で饒舌っていた。話題は大抵、和尚の浮気で、やれどこの細君と関係しているとか、やれ小学校の女教員に、いくらいくらする掛け物をやったとか、一晩中そんな類の話を、幾晩も幾晩も繰り返していた。

私達には、貼り紙おばの頬の丸い貼り紙が、珍しくもあり不思議でもあった。そして私達まで、彼女を真似て、丸い紙を頬に貼り付けたものだが、私は或る晩、彼女が風呂から出て来た時、彼女の頬に、穴があいているのを見つけた。

彼女は、また、ふところから、ただの半紙を出して、爪で丸く切って頬に貼った。