Japanische Klassiker mit Furigana
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しょじょさくついかいだん
処女作追懐談
Lesen Sie 処女作追懐談 (しょじょさくついかいだん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.369 Zeichen · 7 Bildschirme
――と、その時分私の眼に映ったのは、今も駿河台に病院を持って居る佐々木博士の養父だとかいう、佐々木東洋という人だ。あの人は誰もよく知って居る変人だが、世間はあの人を必要として居る。而もあの人は己を曲ぐることなくして立派にやって行く。それから井上達也という眼科の医者が矢張駿河台に居たが、その人も丁度東洋さんのような変人で、而も世間から必要とせられて居た。そこで私は自分もどうかあんな風にえらくなってやって行きたいものと思ったのである。ところが私は医者は嫌いだ。どうか医者でなくて何か好い仕事がありそうなものと考えて日を送って居るうちに、ふと建築のことに思い当った。建築ならば衣食住の一つで世の中になくて叶わぬのみか、同時に立派な美術である。趣味があると共に必要なものである。で、私はいよいよそれにしようと決めた。
ところが丁度その時分(高等学校)の同級生に、米山保三郎という友人が居た。それこそ真性変物で、常に宇宙がどうの、人生がどうのと、大きなことばかり言って居る。ある日此男が訪ねて来て、例の如く色々哲学者の名前を聞かされた揚句の果に君は何になると尋ねるから、実はこうこうだと話すと、彼は一も二もなくそれを却けてしまった。