Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme
第四幕
第一場
唯円 私はたまらなくなります。人生はあまりにさびし過ぎます。
親鸞 人生にはまだまださびしい事があるのだ。人は捨て難いものをも次第に失うてゆくのだ。私もきょうまでいかに多くのものを失うて来た事だろう。(独語のごとくに)あゝ、滅びるものは滅びよ。くずれるものはくずれよ。そして運命にこぼたれぬ確かなものだけ残ってくれ。私はそれをひしとつかんで墓場に行きたいのだ。(黙祷する)
唯円 あゝ、私はおそろしくなりました。
――幕――
第四幕
第一場
黒谷墓地
無数の墓、石塔、地蔵尊等塁々として並んでいる。陰深き木立ちあり。ちょっとした草地、ところどころにばら、いちご等の灌木の叢。道は叢の陰から、草地を経て木立ちの中にはいっている。
人物 唯円 かえで 女の子、四人
時 春の午後 第三幕より一年後
唯円一人。木の株に腰を掛けている。
唯円 春が来た。草や木の芽はまるで燃えるようだ。大地は日光を吸うて、ふくれるように柔らかになった。小鳥は楽しそうに鳴いている。数々の花のめでたいこと! 若い命のよろこびが私のからだからわいて出るような気がする。(立ち上がり、あちこち歩く)もう来そうなものだがな。