Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme
(叢の陰を透かして見る)もしかすると都合が悪くて、出られなかったのではないかしら。私も内緒でやっと出て来たのだもの。(間)だんだんうそを言う事になれて行く。(立ち止まり考える。やがて急に生き生きとする)いいや、今、そんな事は考えられない。(歩き出す)気がいそいそしてとてもじっとしてはいられない。(歌い出す)春のはじめのおん喜びは、おんよろこびは、さわらびの萌えいずるこころなりけり、きみがため、摘む衣の袖に、雪こそかかれ、わがころも手に……
かえで (灌木の叢のかげより登場)唯円様、ただ今。お待ちあそばして?
唯円 えゝ。ずいぶん長く。
かえで (唯円のそばに寄る)私少し家の都合が悪かったものですから。でも急いで走るようにして来たのよ。(息をはずませている)
唯円 私はもしか出られないのではないかと気が気ではありませんでした。
かえで 出られないのを無理に出たのよ。でもあなたとあれほど堅くお約束しておいたのですもの、あなたを一人待ちぼけにすることはどうしたって私にはできなかったのだわ。けれどきょうは早く帰らないと悪いのよ。
唯円 来るとから帰る話をするのはよしてください。