Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
そう思うと、後には腹の中で可笑くもなって、怒られもしないという気になった。で、それよりも寧そ悄気た照れ隠しに、先達ての、あのしごきをくれた時のことを、面白く詳しく話して、陽気に浮かれていた方が好い、他人に話すに惜しい晩であった、と、これまでは、其の事をちびり、ちびり思い出しては独り嬉しい、甘い思い出を歓しんでいたが、斯う打ち壊されて、荒されて見ると大事に蔵っていたとて詰らぬことだ。――あゝそれを思えば残念だが、何うせ斯うなるとは、ずっと以前「直ぐ行って聞いて見てやった。」と言った時から分っていたことだ、と種々なことが逆上って、咽喉の奥では咽ぶような気がするのを静と堪えながら、表面は陽気に面白可笑く、二人のいる前で、前言った、しごきをくれた夜の様を女の身振や声色まで真似をして話した。
(明治四十三年四月「早稲田文学」)