Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

ているので、暫時経ってから何と思ったか、

「あの人可いじゃありませんか。……私なんか本当に感服していたんですよ。感服していたんですよ。……」と、誰れにも柔かな饗庭のことだから、平常略ぼ知っている私の離別に事寄せてその場の私を軽く慰めるように言う。

「えゝ、何うもそう行かない理由があるもんですから。」と詳しく事情を知らぬ饗庭に答えていると、また長田が口を出して、

「ありゃ、細君にするなんて、初めから其様な気はなかったんだろう。一寸家を持つから来てくれって、それから、ずる/\にあゝなったんだろう。」

と、にべも艶もなく、人を馬鹿にしたように、鼻の先で言った。

私は、成程、男と女と一緒になるには、種々な風で一緒になるのだから、長田が、そう思えば、それで可いのだが、饗庭が、仮令その場限りのことにしても、折角そう言って、面白くも無い、気持を悪くするような話を和げようとしているのに、また面と向って、そんなことを言う、何という言葉遣いをする人間だろう! と思って、返答の仕様もないから、それには答えず、黙ってまた長田の顔を見たが、お宮のことが忌々しさに気が荒立っているのは分り切っている。