Japanische Klassiker mit Furigana
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べっぷおんせん
別府温泉
高浜 虚子
Lesen Sie 別府温泉 (べっぷおんせん) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.339 Zeichen · 27 Bildschirme
又はるかの雲際に祖母山脈、又それに並行した二、三の山脈を見はるかして景色がよい。それからしばらくの間は変化のない山路で、やがて小田の池、山下の池などを見、放牧された牛の行手をふさぐことなどがあって、漸く下り路になった。
「時間が後れると靄が晴れてしまう」と熊八氏が心配していたが、山路が開けて一帯の谷を見渡した時に、
「ああ靄はもう晴れている」と落胆した。それでも一抹の濃い靄はなお白くその辺を逍遥うていた。これが由布院村であった。
取りあえず亀の井別荘の亀楽園に憩う。この別荘は瀟洒たる小さい別荘であるが、竹縁に腰を下ろして仰ぐ由布の尖峰は類なく美しい。前面は斧の入らぬ茂った山で、その円い山の肩のところから突として起った二つの尖峰――ここからはその峰が二つに別れて見える――が青空にそびえ立っている様はえがくが如く美しい。
この由布院村にもたくさんの温泉が湧出しておる。現にこの別荘のすぐ傍に錦鱗湖という池があるが、その池の岸辺にも温泉が湧出しておって、その岸辺の水は温かいとのことである。
その錦鱗湖に行って見たが、池の形も人工が加わっておらず自然で、沢山の浮草の生えているさまも面白く、又岸にある藁家の重なりあって建っている様も面白かった。