Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
「いや、僕はお父さんの後を継ぎます」
「その方が宜いでしょう。余所へ行って苦労するよりも、家にいれば若旦那で勤まるんですから」
と母親がまた口を出した。
「それがいけないんだよ」
と父親は忽ちむずかしい顔をした。
「何故でございますか?」
「家で働くにしても、店員並みにやって貰わなければ困る」
「それは表向きは然うでしょうけれど」
「表向きも裏向きもない。お前は黙っていなさい」
「…………」
「日出男や、お前が俺の後を継ぎたいと自発的に言ってくれるのは俺も嬉しいが、家の商売はこれでナカ/\楽じゃないよ。お客さまの御用を足して口銭を稼ぐのだから、会社へ時間で勤めて月給を貰うのとは行き方が大分違う」
「はあ」
「水鳥は唯見ると何でもなく浮いているようだけれど、足に小休みがないという。丁度それだと思う。お客さまから大きな責任を引受けているんだから、些っとも油断がならない。気骨の折れること夥しい」
「その辺も分っている積りです」
「お前がやってくれゝばこの上なしだ」
「やらせて戴きます。余所へ勤めるよりも、その方が手っ取り早いです。もう地盤が出来ているんですから」
「それは然うさ」