Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
たとい野へ出すも小児を附け遣わさず主人自ら牛を伴れ行き夕に伴れ帰って仔細に検査し、もし創つきたる牛あらばこれを妖巫に傷つけられたりと做し、燧石二つで牛の上から火を打ち懸けてその害去ると信じ、また件の黒兎に鬼寄住し鳥銃も利かず銀もしくは鋼の弾丸を打ち懸けて始めてこれを打ち留め得と信ぜらると(ロイド、前出一五)。以前は熊野の猟師みな命の弾丸とて鉄丸に念仏を刻み付けて三つ持ち、大蛇等変化の物を打つ必死の場合にのみ用いた。伊勢の巨勢という地に四里四方刀斧入らざる深山あり、その近傍で炭焼く男いつの歳か十月十五日に山を去って里に帰らんとするに妻子を生む。因って二里半歩み巨勢へ往き薬を求め還って見れば小舎の近傍に板箕ほど大きな蹟ありて小舎に入り、入口に血滴りて妻子なし。必然変化の所為と悟り鉄砲を持ち鉄鍋の足を三つ欠き持ちて足蹟を追い山に入れば、極めて大なる白猴新産の子を食いおわり片手で妻の髪を掴み軽々と携えて走り行く、後より戻せと呼ぶと顧みて妻を樹の枝に懸けて立ち留まりやがて片手で妻を取り上げその頭を咬む、その時遅くかの時速くその脇下に鍋の足を射込んで殺しおわったが、全体絶大なかなか運ぶべくもあらねばその尾のみ切り取って帰った。