Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
(オーヤ、オーヤ)と彼は思った。(ここでは女が虐められている。反対側のあっちの庭では、男と女とが愛撫し合っていたが)
彼はしたたかに酔っていた。そうして彼は与力であった。与力としての精神と、酔漢としての戯心とで、彼は真相を知ろうと思った。
で、足音を忍ばせて、建物の中へはいって行った。泣きながら女の喋舌る声が、すぐ彼へ聞こえて来た。
「妾、もうもう待てません。……これではまるで嫐り殺しです。……今夜こそ……どうしたって……でなかろうものなら……」
男の叱る声が聞こえた。
「ね、あっちへ行っておいで。……お前の心は解っているよ。……が、しかしそう性急には……物事にはすべて順序がある。あの……娘を……ね、三保の方を……三保は年頃になっているのだから。……それに私には仕事がある。……これもどうしたって仕上げなければならない。……だからこそ私はこんな所へ……ああそうだよ。こんな所へこもって……」
泣きながら反対する女の声がした。
「ですから三保子様を早くどなたかへ。……鏡太郎さんというあの人へでも。……お仕事! ああ、そのお仕事です! どんなに妾はそのお仕事を、憎んで憎んで憎んでおりますことか! ……そのためあなたは人相までも、変わってしまったではありませんか! ……二つの骸骨! 壊してしまおうかしら!」