Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
「引っ返すとはどこへ行くのだ?」
「俺の通って来たこの地下道は、幸いのことに迷宮ではない。枝道のない一本道だ。そうして社殿へ通じている。……だからこの道を二人で辿ってひとまず社殿へ出ようと思う」
「なるほど」と云ったが紋太夫は賛成の様子を見せなかった。
「なるほどそれもよいかも知れない。しかし俺は不賛成だ」
「ふうむ、不賛成? それは何故かな?」
「俺はオンコッコと約束した。剣を取って来ると約束した。是非とも剣は取らなければならない」
「剣は大いに取るがいいさ。しかし今は機会が悪い」ホーキン氏は熱心に、「そうだ今は機会が悪い。とにかく一旦地下を出て、日の光の射す地の上へ出て、そうして部下を呼び集め、さらに再びこの地下道から地下の国へ侵入し、その剣を取るもよく、神秘の国の秘密を探り故郷への土産にするもいい。しかしどうしても一旦は地の上へ出る必要がある」
さすがホーキン氏は英国人だけに、その云う事が合理的である。
「これはお説ごもっともじゃ」紋太夫は頷いた。「よろしい、お言葉に従おう。すぐに地下を出ることにしよう」
「おおそれでは賛成か。案内役はこの俺だ」
云うより早く、ホーキン氏は地下道の奥の方へ走り出した。