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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

噂によるとお菊と勘三とは、以前から知っている仲であって、それでお菊を小間使いとして、この寮へ入れたのだということであった。いわば勘三はお菊という女を、名義だけをお島の小間使いとし、事実は自分の妾として、この寮へ引き入れたということになる。そのお菊はどうかというに、これは勘三をむしろ嫌って、お島へ好意を寄せていた。姉のように優しい慈愛の眼で、よくお島を見守ったりした。で、お島もお菊に対して、好感を持たざるを得なかった。いやいやむしろ好感以上の、同性の恋というような、ああ云った特殊の感情をさえ、お島は持たざるを得なかった。もっともそれをそそったのは、小間使いのお菊ではあったけれど。

ある時などは二人の女が、お島の部屋で物も云わず、互いにその手を握り合って、互いに頬を寄せ合って、うっとりとしているようなことがあった。同性ではあるが二人の肌が、着物を通して触れ合って、その接触から来る温かみを、味わい合っていると云いたげであった。

お島の憂欝を祈祷によって、快癒させようと心掛けて、大日坊という修験者を、この寮へ出入りさせて、祈祷させるように取り計らったのは、お菊が小間使いとして住み込んで、十日ほど経ってからのことであった。