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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

(こういう俗悪の世になると、ああいう神聖な人物も出る。反動的とでも云うのだろう)

貝十郎はこう思いながら、雀色になった夕暮れの中に、消え込んで行くその人の姿を、尊いもののように見送ったが、やがて藤兵衛へ近寄って云った。

「これ、薬を一袋くれ」

買った薬を懐中し、貝十郎は歩き出した。

(お篠という女が側室に上がった。……お篠という女に似た女が、盛んに変な狂人になる。……『ままごと』という変わった道具。……松本伊豆守が頻りに使う、……お品という娘がお篠に似ている。……松本伊豆守の用人がお品の店へ出入りをする。……一月十五日に『ままごと』が、伊豆守の邸へ届けられる。……新八郎氏がお品の情人。……藤兵衛の売っていたこの薬? ……玄伯老にでも訊ねてみよう)

蘭医杉田玄伯の家へ、貝十郎がはいって行ったのは、初夜を過ごした頃であった。

三

こういうことがあってから、幾日か経ったある日のこと、お品の家で、お品と新八郎とが、しめやかな声で話していた。

「お品、私はお前をいとしく思うよ。お前一人だけを。……お前も私をいとしく思ってくれるだろうね。裏切りはしまいね。