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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

夫人が一九三七年製の葡萄酒の盃をあげると、反対運動のように博士も盃をあげた。夫人が蜂の子をつまみあげて口にもってゆくと、博士もこれにならった。そしてその合間々々に、会話がとりかわされた。

「博士。貴下の設計になる音楽浴は、すばらしき効果をあげています。ミルキ閣下においても、殊の外の恐悦です。わたしもまた、敬意を表するにやぶさかではありません」

博士は黙って首を下げた。

「しかしですネ、博士」と夫人は酒の盃を下に置いて、「音楽浴の勲功も大きいが、その一方において音楽浴が同時に大きな罪悪をも、もたらしているということを気にしないでいられません」

博士は身体を硬直させたまま口だけを動かして、

「罪悪とは?」

「それは人間性への反逆だからです。第39番の国楽は、支配者の勝手きままな統制条件だけでできています。それは人間をあやつるのに最も都合のいいように、あらためることにあって、そういうあらため方を生きた人間に加えてはたして無理がないであろうかという考慮が払われていません。事実、あの音楽浴のお蔭で国民は体躯においても活動力においても品行においても、みちがえるように立派になりました。