Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

ある宇宙塵の秘密

その夜、テレビジョン研究室の鍵をかけて外に出たのが、もう十二時近かった。裏門にいたる砂利道の上を、ザクザクと寒そうな音をたてて歩きながら、私はおもわず胴震いをした。

(今夜は一つ早く帰って、祝い酒でもやりたまえ。なにしろ教授になったんじゃないか。これで亡くなられた渋谷先生の霊も、もって瞑すべしだ。……)

と、昼間同僚たちがそういってくれた言葉が思い出された。祝い酒はともかくも、早く帰ったほうがよかったようなきがする。どうもさっきから、背中がゾクゾク寒いうえに、なんだか知らぬが、心が重い。暗闇のなかから、恐ろしい魔物がイキナリ飛びだしてきそうな気がして妙に不安でならない。運動不足から起きる狭心症の前徴ではないだろうか。いや、これはやっぱり、今日の教授昇格が自分の心を苦しめるのだ。渋谷先生が三年前に亡くなられて、テレビジョン講座に空席が出来たればこそ、自分のような若い者が教授になれたのである。それが変に心苦しいのであろう。

それというのも、恩師渋谷博士が当り前の亡くなりかたをされたのであったら、そうも思わないのだけれど、博士の最後ほど奇々怪々なるものはなかったのである。