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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

なるべく、異議申立てのない方がよろしいが、たとえ申立てがあったとしても、こっちは作戦おさおさ怠りなのであるから、ただちに起って、異議申立方を撃滅するであろう。

公告決定の悦びを、発明者田方堂十郎氏に一刻も早く伝えたかったので、余は事務所の表に錠をかけ、この通知書を懐にして、田方氏を、蒲田×丁目なる氏の止宿しているアパートに訪ねていった。

ところが、氏には、会えなかった。

氏は、一カ月ほど前から、ぶらりと出ていったまま、いまだに帰ってこないそうである。アパートの監理人のかみさんは、弱っていた。

「いったいどうして、帰って来ないのですかな」

と余が尋ねると、かみさんは、

「あの人には、厄介な病気があるんですわ」

「病気? それは、どんな病気?」

「発明気違いなのですの。この間も、なにやら世界的の発明をして、何とかいう弁理士に頼んで、特許出願してもらったといっていました。田方さんは、そのときその弁理士へ百円置いて来たそうですのよ。うちのアパート代を七カ月分も滞らせているのにね。あきれかえってものがいえませんのよ」

「はあ、そうですかな。じゃ、また伺います」

余は、形勢悪しと見て、ただちに退却をした。