Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme
するとアサリ女史は、いっこう慌てた様子もなく、ミルキ閣下に向って子供にさとすようにいった。
「ええ音楽浴ですわ。今日から音楽浴令を変えたんですのよ。これからは音楽浴を一時間置きに、つまり一日に二十四回やることにしました。そうすると国民は、今までの二十四倍ちかい仕事をするでしょう。そうなれば、もう眠ることも食べることも不要なんです。音楽浴さえかければ、それの刺戟で国民はあと一時間半を疲れもなく馬車馬のように働くでしょう。その後でまた次の音楽浴をかければいいのです」
「それは乱暴だ。死んだコハク博士もそんなことを計画しなかった」
「博士コハクは生れつき狡いから、わざと音楽浴を一日一回に制限したのです。でもないと博士自身も二十四時間働きつづけにさせられますからネ。わたしはそれを前からちゃんと知っていたのです。政治家でなければ、いちいち国の能率を本当に十二分にあげることは不可能ですよ。科学は政治家に征服されてこそ、真の偉力を発揮するのです」
このときミルキ閣下の耳底には、音楽浴の行進につれて国民の口からハッハッと吐きだされる苦悩の呻き声がアリアリと感ぜられた。