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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

Lesen Sie 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.941 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

なぜなら、この音楽浴は脳細胞を異常に刺戟するため、あまりかけていると脳細胞を破壊して人間は急死を招くからであった。だから現行法令のように、博士の意見どおり一日に三十分に限られることになった。しかし大統領は、何か折さえあれば、もっと長時間かけることにして、国民のたましいを完全に取りあげたいものだと思っていた。さっき、博士には完全人間ができて嬉しいなどと挨拶したが、あれはお世辞にすぎなかったのである。事実国民は、大統領の希望するほど二十四時間を完全に緊張しつづけ、また不平不満ぬきで生活しているわけではなかった。

3

十九時過ぎのことだった。

十九時といえば、古い時刻でいうならば午後七時に当るのだったが、この地底に埋もれている国には、明けることも暮れることもなく、いつも人工光線の下で生活していた。太陽はいつもものうき光線を彼らの国の屋根に相当する地表に投げかけているだけだった。地表には蝶一匹すら飛んでいなかった。たびたびの戦争に、地表面は細菌と毒ガスとに荒れはて生き物はおろか草一本生えていない荒涼たる風景を呈していた。生き残った人間と、わずかの家畜と寄生虫とだけが地底にもぐりこんで種を全うした。