Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
「ええ」
達ちゃんは真面目な決心した様な返事をして居るのが千世子はもったいない様になってしまった。
「今だからこんなにしても居るんだけれども、もう四五年も立つとまた私のきらいな声や形になって私にいやがられる様な子になっちまうんだろう」
こんな事も思って居た。
達ちゃんは大した目的がある様に一本ずつ花を摘んで行った。両手にあまるっくらいつみためた時達ちゃんははにかみ笑いをしながら、
「これみんなあげましょう、――随分沢山になった……」
と云って千世子の腕の中にうす紫の雲の様な花束を抱えこませた。
千世子は手がつかれた様に感じるほどの花をかかえて達ちゃんと並んで先に来た道から又もどった。
丘の所にせまくつくられた豌豆の畑の、白い蝶の様な赤いリボンを結んだ様な花のどっさりついた一つるを根からとって千世子のも一つ別な方のうでにかけてやった。達ちゃんがいろいろと千世子に親切にしてやりながらも、
「この人は私はどんな人だと思って居るんだろう、いつまでも覚えて居て可愛がって呉れる人かしら、私をあんまり子供あつかいにして居すぎる」
とこんな事を思ってまるで若い女の様に何事か思い出してポーッと顔を赤くした。