Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちくまがわのスケッチ

千曲川のスケッチ

島崎 藤村

Lesen Sie 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.668 Zeichen · 164 Bildschirme

Aozora Bunko

に毎月連載した。「千曲川のスケッチ」と題したのもその時であった。大正一年の冬、佐久良書房から一巻として出版したが、それが小冊子にまとめてみた最初の時であった。

実際私が小諸に行って、饑え渇いた旅人のように山を望んだ朝から、あの白雪の残った遠い山々――浅間、牙歯のような山続き、陰影の多い谷々、古い崩壊の跡、それから淡い煙のような山巓の雲の群、すべてそれらのものが朝の光を帯びて私の眼に映った時から、私はもう以前の自分ではないような気がしました。何んとなく私の内部には別のものが始まったような気がしました。

これは後になってからの自分の回顧であるが、それほどわたしも新しい渇望を感じていた。自分の第四の詩集を出した頃、わたしはもっと事物を正しく見ることを学ぼうと思い立った。この心からの要求はかなりはげしかったので、そのためにわたしは三年近くも黙して暮すようになり、いつ始めるともなくこんなスケッチを始め、これを手帳に書きつけることを自分の日課のようにした。ちょうどわたしと前後して小諸へ来た水彩画家三宅克巳君が袋町というところに新家庭をつくって一年ばかり住んでおられ、余暇には小諸義塾の生徒をも教えに通われた。