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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちくまがわのスケッチ

千曲川のスケッチ

島崎 藤村

Lesen Sie 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.668 Zeichen · 164 Bildschirme

Aozora Bunko

というは、腹具合が悪くて、飯を一度食わなかったから。で、W君と一緒に休む時には、そこへ倒れるように身を投げた。やがて復た洋傘に力を入れて、起ち上った。

いくつか松林を越えて、広々としたところへ出た。私達二人の影は地に映って見えた。月の光は明るくなったり暗くなったりした。そのうちに私達は大きな黒いものを見つけた。七ひろ石だ。

「もう余程来ましたかねえ。どうも非常に疲れた。足が前へ出なくなった」

「私も夜道はしましたが、こんなに弱ったことはありません」

「ここで一つ休もうじゃありませんか」

「弱いナア。ああああ」

こう言合って、勇気を鼓して進もうとすると、疲れた足の指先は石に蹉いて痛い。復たぐったりと倒れるように、草の上へ横に成って休んだ。そこは浅間の中腹にある大傾斜のところで、あたりは茫漠とした荒れた原のように見えた。越えて来た松林は暗い雲のようで、ところどころに黒い影のような大石が夜色に包まれて眼に入るばかりだ。月の光も薄くこの山の端に満ちた。空の彼方には青い星の光が三つばかり冴えて見えた。灰白い夜の雲も望まれた。

深山の燈影

赤々と障子に映る燈火を見た時の私達の喜びは譬えようもなかった。