Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
半七捕物帳
岡本 綺堂
Lesen Sie 半七捕物帳 (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.788 Zeichen · 15 Bildschirme
「むむ。台所の土間に米のあき俵が一つ転がっていた。その下から出たのよ。痩せても枯れても旗本の屋敷で、流しの按摩を呼び込みゃあしめえ。あんなところに、どうして按摩の笛が落ちていたのか。おめえ、考えてみろ」
「なるほどね」
松吉は首をひねっていた。
「これで一つ目小僧の正体はわかりましたよ」と、半七老人はわたしに話した。「初めは片目をなにかで隠しているのかと思いましたが、この笛を拾ったので又かんがえが変りました。松吉やほかの子分どもに云いつけて、江戸じゅうに片目の小按摩が幾人いるかを調べさせると、さすがは江戸で片目の按摩が七人いましたよ。そのなかで肩あげのある者四人の身許を探索すると、入谷の長屋にいる周悦という今年十四歳の小按摩がおかしい。こいつは子供の時にいたずらをして、竹きれで眼を突き潰したので、片目あいていながら按摩になって、二十四文と流して歩いているうちに、馬道の下駄屋へたびたび呼び込まれて懇意になると、そこの亭主が悪い奴で、この小按摩を巧くだまし込んで、療治に行った家の物を手あたり次第にぬすませて、自分が廉く買っていたんです。そのうちに、この亭主が悪御家人と共謀して、あき屋敷を仕事場にすることになったんですが、自分の近所は感付かれる懸念があるので、いつも遠い山の手へ行って仕事をしていました」