Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はんのすけしゅうげん

半之助祝言

山本 周五郎

Lesen Sie 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.997 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

「そいつは臆病ですね、その黒いのは」

半之助はじれったくなってそう云った。

「臆病でもないんだが」

老人が答えた。

「ぶきようで、腰が弱いんだな、もうひと息というところがうまくいかん、そら来い、黒」

「なるほど、うまくないですな」

半之助はこう云ってふと笑った。

「しかし人間にもこんなのがいますね、へまでぶきっちょで、なにをさせても失敗ばかりする、そして蔭でぶつぶつ泣き言を並べる、といったようなのが」

「うんいるな」老人もつい頷いた。

「前田甚内などもその組だろう、あれはいつも落し物をしたような顔をしておる」

「前田って家老の前田さんですか」

「似ておるだろう」老人はこう云って半之助のほうへ振向いた。

「おまけに彼は胆石もちときている、自分では消化不良だなぞと云っておるが、……おまえ見たことのない顔だな」

「そうでしょう、まだ来たばかりですから」

「ではよく見てみろ、わしは保証するが甚内は胆石もちだ、あの顔色は……お?」

老人はとつぜん眼を光らせ、半之助の頭から足のほうまで訝しげに見おろし、それからへの字なりの唇をひきむすんで、石の上に立ちあがった。

「おい、おまえはいったいなに者だ」