Japanische Klassiker mit Furigana
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はんとういっきしょう
半島一奇抄
泉 鏡花
Lesen Sie 半島一奇抄 (はんとういっきしょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.324 Zeichen · 27 Bildschirme
神社へ参詣をして、裏門の森を抜けて、一度ちょっと田畝道を抜けましたがね、穀蔵、もの置蔵などの並んだ処を通って、昔の屋敷町といったのへ入って、それから榎の宮八幡宮――この境内が、ほとんど水源と申して宜しい、白雪のとけて湧く処、と居士が言います。……榎は榎、大楠、老樫、森々と暗く聳えて、瑠璃、瑪瑙の盤、また薬研が幾つも並んだように、蟠った樹の根の脈々、巌の底、青い小石一つの、その下からも、むくむくとも噴出さず、ちろちろちろちろと銀の鈴の舞うように湧いています。不躾ですが、御手洗で清めた指で触って見ました。冷い事、氷のようです。湧いて響くのが一粒ずつ、掌に玉を拾うそうに思われましたよ。
あとへ引返して、すぐ宮前の通から、小橋を一つ、そこも水が走っている、門ばかり、家は形もない――潜門を押して入ると――植木屋らしいのが三四人、土をほって、運んでいました。」
――別荘の売りものを、料理屋が建直すのだったそうである。
「築山のあとでしょう。葉ばかりの菖蒲は、根を崩され、霧島が、ちらちらと鍬の下に見えます。おお御隠居様、大旦那、と植木屋は一斉に礼をする。ちょっと邪魔をしますよ。