Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「そうそう、三縁山の丑三つの鐘が、陰にこもって、ぐぉーんーと、鳴ると――」
「成る程、拙い講釈師だの」
「便所の蔭から――」
「ちょいと、ちょいと」
南玉は、手で額を叩いて
「出来ましたっ、夜鷹の仮声は天下一品」
と、いった時、
「物申う、講釈師、桃牛舎南玉の住居はここかの」
南玉が
「へい」
と、いった途端、益満が
「真木か」
「益満」
格子を開けて、着流しの浪人が入って来た。そして、土間に立っていると
「南玉、酒を買って来い」
銀子を渡して、益満が
「こちらへ」
と、いった。南玉は、勝手口から出て行った。浪人が、深雪に挨拶してしまうと、益満が、金包を出して
「支度金」
「いや、忝ない」
浪人は、膝の上へ手をついて御叩頭した。
「一手五人として、三手――成るべくならば、姿をかえて、悟られぬようにお願いしたい。一手から一人ずつ、物見兼連絡掛として、某と、各々との間におって、事があれば知らせ合うこと――誰も同じことで、某も覚えがあるが、苦しい時には、刀の中身まで替えたもの。もし、そういう仁があれば、是非、味のよい物を求めてもらいたい。仲間の喧嘩、口論は勿論のこと、道中、みだりに人と、いさかってはならぬ。