Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
そうすると、何故、自分は、こんなに、苦しめられるのか? 悲しまされるのか、だんだんわかってくる。誰が苦しめるのか? 何んのために、悲しまされるのか? それを、よく考えて、その苦しませる奴と戦う――ここから、その悪い運が、明るく開けてくる。よいか」
深雪は、頷いた。
「それで、小父上から、あずかっておいたが――」
益満は、袋に入った短刀を取出した。
「小藤次が惚れておるのを幸として、お由羅の許へ、奉公に出るということ――もし、この話が成就したなら、これを、父と思って肌身離すな。奥女中は、片輪者の集まりゆえ、いじめることもあろうし、叱ることもあろうが、お家のため、父のために、十分に耐えて――隙があらば、由羅を刺し殺せ。己を突くか、由羅を突くか、二つに一つの短刀じゃ。その外に使うことはならぬ。又――朱に交れば赤くなる、と申すが、泥水に咲いても、清い蓮の花は清く咲く。決して、奥の悪風に染むなよ」
深雪は、身体をかたくして聞いていた。一家中の者が、それぞれ身を捨ててかかっているのに、自分一人だけは、南玉のおどけた生活の中にいたので、日夜、そのために苦しんでいたが、益満の言葉で、頭が軽くなった。