Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、小藤次の下品な鼻、脂切った頬、胸の毛を見ると、身ぶるいがした。

「武家育ちだから知ってるだろうが、一旦、上ってしまうと、町方たあちがって、なかなか、男など近づけるところでないし、宿下りは年に二度さ、だから――」

南玉が

「そこを一つ、若旦那、お由羅さんの兄さんという勢力で、気儘に逢引のできるよう、骨を折って下さるんでげすな」

「不束者でございますが、お世話になります以上は、一生をかけたいと存じます。それにつきましては、一通りの御殿勤めも致しとうござりますゆえ、一二年、御部屋様付にて、見習をさせて頂きましたなら」

深雪は、一生懸命であった。頭も、顔も熱くなって、舌が、ざらざらして、動かなくなるのではないかと思えた。

「利口なことをいうぜ」

小藤次は、腕組をして、深雪の滑らかな肩、新鮮な果実のような頬、典雅な腰の線を眺めていた。

「成る程、御尤もさまで――」

と、常公が、思案に余ったような顔をしていた。

「講釈流で行くと、ここで、岡田小藤次は、侠気を見せますな。何んにも云わねえ、行って来な」

南玉は、首を振って、仮声を使った。

「てえことになると、娘の方から――ほんに、頼もしい小藤次さま」