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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

「夢でございますよ――何も、おりませぬ」

と、侍女は、怯えている澄姫を、正気にしようとしたが、澄姫は、がくがく顫えて、しがみついたままであった。

英姫は、余り、いじらしいので、自分が夜を徹して、澄姫の枕許にいたが、澄姫は、だんだん、夜になるだけにでも、怖れだしてきた。昼間の、陽の明るい折

「寝てから、何を、見るの?」

と、聞くと、それだけでさえ、もう、顔色を変えて

「鬼――」

と、答えると、それ以上のことは、怖ろしくて、説明もできないようであった。そして、だんだん衰弱して行った。

左源太は、その澄姫の死を想い出すと、可愛盛りの寛之助を捨てておけなかった。もう一度、あの恐怖に怯えさせるかと思うと、斉彬の冷淡さに、腹が立ってきた。

「寛之助様、ばかばかしゅうござりませぬが」

と、いうと、斉彬は、ホンフランドの「三兵話法」を、読みながら、

「あれは、生来弱い」

「しかし、御病状が、異様でござります」

「病気のことは、医者に任せておけ」

「医者の手ではおよばぬ――」

「なら、天命だ」

左源太は、それ以上、斉彬に云えなかったから、英姫に

「よもやとは思いまするが、例のあること。