Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「ようよう着いた。慣れた道じゃが、疲れるのう」
「薩摩っ坊め、下らぬごたごた騒ぎをしやがって、彼女との約束が、ふいになってしもうた」
「それは、御愁傷様、拙者には又、箱根町に馴染があっての――」
「又、色話か」
「話は、これに限る。貴公の、斬口の、鑑定は、女と手を切った時にたのむ」
「然し、見事に斬ってあったのう。薩州の示現流――」
人々は、話しながら、通ってしまった。
(もう、小田原から役人が来た。宿にいる三人は、一日、二日取調べられるであろう――いいや、この身も危い。山越に、今夜のうち、三島まで、のすか)
と、思った時、小さい提灯が一つ、ゆっくり、坂途を降りて来た。
提灯の、微かな灯影の中にでも、綱手の顔は、白く浮き出していた。益満は、ずかずかと、近づいて
「お嬢様、お出迎えに――」
と、いって、びっくりして、益満の顔を見た綱手の眼へ、合図をしながら
「心配致しました。余り、お遅いので。途中で斬り合がございましたそうで、たゞ今、役人が、その侍を取調べておりますが、うっかりしたことは出来ませぬ」
と、口早に、小腰をかがめて、七瀬と、二人にいった。
「ほんに――」