Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
小藤次が、怒った眼をして、近くの侍女へ、こういうと、お由羅は、煙管を延して、小藤次の言葉を止めた。南玉は、平然として
「これに控えおります拙の姪儀、いやはや奇妙不可思議の御縁により、計らずも、今般、岡田小藤次利武殿の御見出しにあずかり奉り――」
「南玉――いや、良庵さん、もう、よく娘のことは話してあるから――」
「ところでげす」
「判ってるったら――」
深雪が、南玉の袖を引いた。南玉は、小藤次も、深雪も、気にかけずに
「この岡田様が、この姪の、お綺麗なところに、ぞっこん惚れ奉って、えへへ――まずこういう工合でござります、下世話に申します、首ったけ」
扇を、顎の下へ当てて、頸を延した。小藤次が
「南玉っ」
と、叫んだ。侍女の二三人が、笑声を立てた。
「それで」
と、お由羅が笑いながらいった。
「ええ、御有難い仕合せで」
南玉は、一つ御叩頭をして、扇で膝を、ぽんと叩いた。
「愚按ずるに諺に曰く、遠くて近きは男女の仲、近くて遠いは、嫁舅の仲、遠くて遠いが唐、天竺、近うて近いが、目、鼻、口」
南玉が真面目な顔をして、大声に、妙なことをいい出したので、部屋の中は、忍び笑いでいっぱいになった。