Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

柄へ、手をかけたが、膝も、拳もふるえていた。

「誰だ」

振向いて、身構えると

「御祈祷場、警固の者でござる」

誰ともわからぬ、黒い影は、そう、役目にいったまま、小藤次の前に突立っていた。小藤次は、安心すると同時に

(初めっから、俺を見張ってやがったな)

と、思うと、柴折戸のところから、四辺をうかがって、おどおどとした姿で、忍び込んだ自分の滑稽さを想い浮べて、腹が立ってきた。

「そうかい。えらい、厳しいんだね」

冷笑したように、こういうと

「何?」

「えらい、厳しいってんだよ」

「出ろっ。ここを、何んと心得ておる。お部屋様、近親の者と思えばこそ、咎め立ても致ざずにおれば、えらい、厳しいとは、何事でござる。それが、御部屋様の兄上の言葉か?」

低いが、鋭く、叱りつけた。

(誰奴だろう? えらそうに――)

と思ったが

(上女中の、うるさいのにでも云いつけられたら――)

と――だが、そう叱られて、黙って引込むのも、器量の悪い話であった――。

(もう、すぐに、深雪が、出て来るのに)

と、思うと、それも心配になって来た。

「そりゃ、存じてはいるが――」

「存じて居て、何故、禁を犯された」