Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
叡山で、斬られたというのは、八郎太であるか、ないか――そうした苦しいことが、小さい女の胸の中へ、いっぱいの毒瓦斯となって、いぶり立った。
「袋持」
「入れ」
隣りの百城が、襖を開けて
「今、聞いたが――」
と、云って、二人に挨拶をした。
「今、御二人に話したところじゃが、誰であろうな、牧氏を覘ったのは?」
「ふむ」
百城は、坐って、腕組して
「詳しく聞いたか」
と、袋持の顔を見た。
「いや、牧氏の無事と、七八人も斬られたのと、斬口の見事さと、残らず殺されたのと、これだけじゃ」
「同じじゃ。明日、わしは、京へ行くから、詳しゅう聞いて参ろう。一人、逃げたと申すでないか。若いのが――」
「それは知らぬ」
七瀬が
「その狼藉者の名は?」
「それが判らぬ。乱暴者の手利なら、益満休之助と聞いておるが、或いは、そうかも知れぬし、手利は多いからのう」
「御家老は、何んと仰せられているか、知らぬか」
「頷いてばかりおられたそうじゃ――京への用は、御家老からか」
「ふむ、ついでに、詳しく調べて参れと、仰せられたが、牧氏が、御無事なら、余のことは、調べる程でもない」
月丸は、微笑していた。
七瀬と、綱手とは、隼人達の着て寝る、木綿の固い蒲団を着て、ぴったり、くっついて寝ていた。