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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

十九になる娘であったが、こうして、母親と、一つの床に添伏していると、子供の心になっていた。

「何んだか、妾には、お父様のように思えて――お父さんの斬られなすった姿が――」

綱手は、小さい声で囁いた。

「不吉なことを云うものではありません」

「妾――明日、百城様と、京へ、様子を見に参りましょうか」

「さ、妾も、そう思うが、なまじのことをして、ここの人達に悟られてはならぬゆえ、百城様のお帰りを待って、万事はそれからのことにしようではないか」

「ええ――百城様は、お母様、敵でしょうか、味方でしょうか」

「さあ――口数の少い人ゆえ、聞いたこともないし、話したこともないが、袋持様の御朋輩なら、味方であろうかの」

七瀬は、こういって

(百城様のような、無口な人は却って頼もしい。益満様とは、丸で打ってちごうた性質なり、振舞なり――)

と、思った。そして、そう思うと、早く、綱手に、よい聟をとって、孫を見たい、と思っていたことが、まるで、ちがった方角のことへ来たのに、淋しさと、頼りなさとを感じた。それから、傍に寝ている綱手を見ると、不憫さが、胸を圧した。

(自分は、この子の齢より、一つ若い時に、八郎太へ嫁いだのだ)