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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

綱手は、済まぬと思うと、薄く、涙が出てきた。それは、他人の熱情的な同情に対して、何んとも答えられぬ苦しさからであると共に、自分の愛する男へ、本心を打明けることのできぬ悲しさからの涙であった。

「綱手殿」

異常に、昂奮した声が、低く響くと共に、月丸の手が、綱手の肩を、ぐっと掴んだ。

「そう取って――取ってよろしゅうござるか」

綱手は、月丸の手を払おうとして、町分の手を動かしたが、それが、月丸の手に触れるのが恐ろしかった。だが、自分の肩から月丸の手を放すのも、厭なような気がした。然し、そのままに掴ませておいて

(だらしのない女)

と、思われたくなかったので、静かに、身体を引きつつ、寝返ろうとした。その瞬間に、月丸の手が、綱手の腕を握った。そして、耳許へ口が近づいて

「打明けて――某、命にかけてのこと」

月丸は、喘ぐように囁いた。綱手は、頭の中が、唸り渡っているように、しびれているように――脚を固くしめて、月丸に握られている腕を、引放そうとしながら、全身を恥かしさで火のようにして、顫えていた。月丸は、綱手の腕を握ったまま、耳許で

「命にかえて他言せぬ。きっと――そうじゃ。