Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
そして、調笑も、その張本人の一人だというかもしれぬ」
斉彬は、俯向いて、黙然としている人々へ、穏かにこういいつつ、自分も、じっと、眼を膝の上へ落した。
「いうかも知れぬでなく、それが、真実かもしれぬ。そして、わしも、凡夫である以上、子を殺されては、嘆かわしいし、殺した者を憎む情も、持っておらぬことは無い。それは、益満、人間、自然の情じゃ。然し――ここをよく聞いてくれ。父、斉興がおわす。今、お前の申した如く、政道筋が、或いは二途に出ているように、世間は感じておるかもしれぬ。確かに、幕府などは、父を差置いて、万事、わしと談合をしに来る。そして、わしは、それにいろいろと申し述べることもある。これは、子として、確かに、父に反く者じゃ。或いは、調笑等の企てよりも、罪としては、深いものかもしれぬ。だが――」
斉彬は、暫く、言葉を切った。
「だが――天下の形勢――つまり、幕府の事情、異国の事情、人心の帰趨、動揺を見る時、わしは、父も、子も、家来も、無論、わしをも、生犠として、この日本を救わねばならぬような気がする。そして、ただ、それだけが、わしの天から与えられた職責で――少し、いうのは、おかしいが、今、日本において、そういうことを考えているものは、わしら二三人の外にない――と、いう自信も、持っている。