Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

益満は、只今、家の中さえ修められずに、外敵に当りうるかと申した。如何にも、家は修まっていぬ。然し、わしは、家を修めて、わしの手で外敵に当ろうとは思わぬし、それは、出来ないことじゃ。それを行うには、わしの考えていることを、日本中が、一致して行ってくれることで、わしは、わしの意見が、天下の輿論となれば、それでいいと思うている。実行とは別じゃ。つまり、わしが時代の生犠となって、それが、人民の、当路の、目を醒ましてくれればよい。日夜、わしは、それを念じて、わしの思うたことを、微かながら、実現しようとしている。子は可愛いぞ、益満、然し、天下のために、子を斬る時も、人間にはあるぞ。まして、お前達、軽輩の身軽さとはちがう。いろいろの、拙らぬ、小さい、煩わしいことが、わしを縛っている。それと闘いつつ、己の、感情と闘いつつ、わしは、日夜ただ、そのことのみに突進しておる。そして、それを知っていてくれる者は、僅かに二三人じゃ。時々は、淋しゅうもなる。わしとて、子と共に遊び、父のよい機嫌を見、奥と楽しく語らう味を、知らぬものではない。然し、日本の前途を思うと、そうはしておれぬ。