Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「遠路、お疲れなされたで、ありましょう」
お由羅は、古代紫の綸子の被布を被て、齢に似ぬ大奥風の厚化粧をしていた。調所は
「手前は、御覧の如く、齢をとって皺くちゃになり、従って、疲れを覚えるようにもなりましたが、お方様は、だんだん若くおなりになりますな」
「お前様のお蔭で、近頃、ずんと、くったくが無くなりましたからのう」
「結構な至りにござります。手前は、旅にも疲れを感じるようになりましたし、又、生きているのも、物憂くなって参りました」
調所は、こういって、お由羅の側にいる深雪に、じっと、眼を注いでいたが
「その御女中は、近頃、召抱えになりましたかな」
お由羅が
「あれかえ」
と、深雪の方へ顔を向けた。深雪は、お由羅と、調所との眼を、ちらっと見て、すぐ、俯向いた。胸が波立った。調所が
「お前は、仙波の娘ではないか」
深雪は、調所の言葉にはっとして、耳朶を赤くしたが
「いいえ」
お由羅が、鋭く、深雪を見た。
「ちがうか――益満休之助と、同じ長屋の隣同士に住んでいた仙波と申す者の娘が、大阪へ、わしを手頼って参ったが――瓜二つじゃで」
お由羅が、口早に
「仙波の娘が、お前様を、手頼って?」