Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
次の間には、高い声と、それから、幾人も幾人も入って来て、深雪を取巻いたり、お由羅へ
「御無事で」
とか
「如何なされました」
とか、口早に、騒がしく喋った。調所が
「医者を呼んで、手当をしてやれ。一同、出い。これしきに、何を騒ぐ」
と、怒鳴って、未だ、何か、声高に云いつつ、深雪を、運んで行く女中達へ
「静かにせんか」
と、叱りつけた。
お由羅は、蒼白な顔に、固い微笑をして、着物をつくろいながら、脇息を引寄せて、元の座へ坐った。
「大外れた――」
と、いう呼吸が、喘んでいた。
「お方を斬れと、命じられたのでござりましょう。然し――」
「目をかけてやっておるに――」
「だから、斬るに、斬られず。察しておやりなされ。あの女と、地をかえて、あの女になったとして――きつい処分をせずに、狂人にして、宿へ下げてしまいなされ。小女の一人、二人、罪にしたところで、手柄にはなりませぬ。平生慈悲をかけられて、親からは、何か申しつけられて、十七や、八で――お方など、あの娘盛りには、四国町の小町娘で、付文を読むのに忙がしかったばかりでござろうがな。あはははは」
お由羅も、笑った。
「許してやりなされ。