Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

三人旅

そいつを、刺殺そうなんて、八つ裂きにして、串焼きにしてえってのが、人情だが、惚れた人情って奴あ、又、人情の中でも別だわな。その女を、お前、助けようってんだ。何うだい、俺の、真実が判っただろうがな」

小藤次は、深雪の押込められている、薄暗い、じめじめした、鼠の騒ぎ立てる物置部屋の中で、うずくまっていた。深雪は、その前に、膝を揃えて、俯向いていた。薄暗い中に、厚化粧の顔が、冴々として、浮んでいた。

「俺が、必死の命乞いをしたから、そこは実の妹のことだ、いいようにしろって、まあ、命に別条は無え。然し、なあ、深雪、水心あれば、魚心ってんだ。魚心あれば、水心――まあ、何っちでもええやな。憎さが――そうじゃねえ、可愛さ余って、憎さが百倍。こうまでした俺の気を察しねえで、首を、横に振る分にゃあ、俺も男だ、なぶり殺しに殺すか、仲間部屋へ連れ込んで、念仏講にした上で、夜鷹宿へたたき売るか。人間、出ようによって、仏にもなりゃあ、鬼にもならあ――俺あ、お前の生命乞いをして、寿命を、三年縮めたぜ。妹の怒るのも無理はねえや。初めっから、企んで、入り込んだことなんだからのう。