Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「左様か――それでは、もう一度、皆の者と、談合してみよう」
「少し、寝言を申しすぎて、御意に逆いましたと見受けまするが、それ程の仕事ならば、某ならずとも、久光公附の、奥小姓一人を味方に引入れさえしますれば、訳のないことでござりまする。例えば、貴船作太郎の如き、仰せつけなさらば、否みは、致しますまい」
「聞いておく。御苦労であった」
左源太は、不機嫌であった。
「手前、近頃考えまするに、善悪不二、大道無門」
「そういう講釈は後日、ゆるりと聞こう」
左源太は、怒ったように、さっと、立上った。そして
「御暇申しまする」
と、挨拶をした益満を残しておいて、手荒く、襖を開けて、出て行ってしまった。益満は、微笑して
「一間の内に、入りにけり。ででん、でん。あとには、独り、益満が、でん――」
口の中で、義太夫節を、唄いながら、立上った。そして、次の間の、襖際へ置いてあった脇差を、左手に提げて、廊下に出た。
「卿等、碌々人に拠って事をなすの徒。燕雀、何んぞ、大鵬の志を知らんや、か――吾に、洛陽負廓田二頃有らしめば、豈よく六国の相印を佩びんや、か」
と、小さい声で、いいつつ、玄関へ出て来ると、玄関脇の、番部屋の襖が開いて、二三人が、外へ出ようとした。